本日は、期待大の再開発計画が目白押しの虎ノ門の地に登場する「シティータワー虎ノ門」(神谷町駅徒歩2分)について、2021年3月に竣工済のお隣「ブランズ愛宕虎ノ門」(神谷町駅徒歩2分)と比較しながらレビューをしていきます。
この2つのマンションに共通する点は「隣同士の立地」だけではなく、「普通借地権」のマンションという点です。
ここが通常の「所有権」マンションである「パークコート虎ノ門」(大人気で既に竣工前完売済み)やご近所の新築マンションである「プラウド新虎通り」(現在販売中)と大きく異なってくる点です。
借地権のマンションは土地が出にくい都心の一等地には多いのですが、所有権と比較した時にどんなメリット・デメリットがあるのかも解説していきます。
物件概要
・シティータワー虎ノ門
住所:東京都港区虎ノ門三丁目209-1他(地番)
構造・規模:鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) 地上28階建 地下1階建
引き渡し予定:2025年5月下旬
販売開始予定:2022年1月中旬販売開始予定
総戸数:144戸〔非分譲住戸2戸、その他住戸14戸(※1)含む〕
・ブランズ愛宕虎ノ門
住所:東京都港区虎ノ門三丁目112番1他(地番)
構造・規模:鉄筋コンクリート造 地下1階・地上17階建
引き渡し予定:竣工済(2021年2月)
販売開始予定:販売中
総戸数:93戸(事業協力者住戸3戸含む)、他店舗1区画
立地はほぼ同じと言って良いですが、「シティータワー虎ノ門」の方が大規模で階数も高いマンションとなります。
再開発で期待の高まる好立地
好立地なのは言うまでもないです。日比谷線「六本木駅」と「虎ノ門ヒルズ駅」という名だたる2駅に挟まれた位置関係ですので、今後の価格上昇はあっても価値が下がることはまずないでしょう。
その神谷町駅から徒歩2分ですので、資産価値については控えめに言っても超安泰なマンションです。
主要駅までの交通アクセスは以下です。
- 東京駅:10分
- 品川駅:26分
- 新宿駅:16分
- 渋谷駅:18分
出張が多い方にも大変便利で、虎ノ門ヒルズから羽田空港行きのバスが出ており約30分で直通アクセスできます。
周辺の再開発計画
特にに楽しみなのは、完成が2年後に控えるヒルズの未来形「虎ノ門・麻布台プロジェクト」と「虎ノ門ヒルズステーションタワー」です。
公式ホームページでも詳しく説明してくれていますが、以下のページでとてもよく詳しくまとまっています。
www.sumu-log.com
学区が◎
シティータワー虎ノ門もブランズ愛宕虎ノ門もどちらも学区は「港区立御成門小学校」「港区立御成門中学校」となります。
御成門小学校学区の平均年収は1200万円越えと高額=イコール教育のレベルも高いということ、かつ学校自体の評判も大変良いですので、公立派には嬉しいですね。
日常利便性(公園・スーパーなど)も○(◎ではない)
公園は5分も歩けば「芝公園」につけるという贅沢な立地です。
虎ノ門・麻布台の再開発によって緑あふれる6,000㎡の中央広場もできる予定なので、さらに過ごしやすくなるでしょう。
日常使いできるスーパーは、
・成城石井 愛宕グリーンヒルズ店(徒歩2分)
・マルエツプチ(徒歩6分)
くらいでしょうか。
無添加のお惣菜などオーガニック素材を多く扱う成城石井が近くにあるのは健康派の方には嬉しいですよね♪
しかし、どちらも生鮮食品(新鮮フレッシュなお魚やお肉・お野菜など)が充実しているスーパーというわけではないので、自炊派の方には物足りないと感じます。
もちろんネットスーパーを使えば良いのですが、生鮮食品はやはり鮮度を自分の目で見て選びたいという需要は強いですし、ネットだとなぜか鮮度が落ちてしまうのですよね…
近隣で外食に困ることはない立地です。麻虎にも大きなフードコートができ、虎ノ門ヒルズステーションタワーにも商業施設が入るようです。
一般的に買い物利便性自体はとっても高いので単身者や共働きの方には十分かと思います。
設備仕様・グレード/共用施設・駐車場など
まず外観は「タワー」と言っても低めな28階建てですが結構カッコいい感じに仕上がりそうな予感です。
ぱっと見、マンションというよりオフィスビルという感じの印象でした。(実際住み始めてカーテンなんかがつくと住居っぽくなってくるでしょう)
奥に広い敷地形状のため、エントランスはこじんまりとした印象で派手さはないです。どちらかと言うと商業オフィス街の雰囲気が強い地なのでこれくらいが正解なのでしょうが、好みは別れそうです。
大通り側に接道している「シティータワー虎ノ門」に対して「ブランズ愛宕虎ノ門」の方は、大通りから一つ入る細い道に接道しているため、エントランスはしっかりとられており、マンション感があります。
共用設備ですが、「ブランズ愛宕虎ノ門」は無し、「シティータワー虎ノ門」はテレワークルームがありとなっています。
テレワークルームの詳細はまだ公表されていませんが、ウェブ会議のできる個室が6部屋用意され、使用は有料のようです。
コンシェルジュ・内廊下・各階ゴミ置き場などのタワマン的サービスは両マンションで同様です。
「シティータワー虎ノ門」の細かな設備仕様はまだ発表されていませんが、「ブランズ愛宕虎ノ門」に関してはIoTに相当こだわりがあり面白いです。
例えばGoogle Home Miniを全住戸に設置したり、スマホからの解錠・施錠、エアコンや電気のスイッチ操作、お風呂を外出先から沸かしておくなど、便利機能が充実しています。
その他「ブランズ愛宕虎ノ門」の設備仕様は最新のマンションと遜色ありません。
・食洗機
・フィオレストーン天板
・ディスポーザー
・食器棚備え付け
・ミストサウナ
・浴室壁タイル
・浴室ガラス扉
・トイレ手洗いカウンター
・天カセエアコン
・床暖房
・折り上げ天井
・各住戸トランクルーム
IoTも合わせて考えれば最新のマンションの中でもかなり充実したほうではないでしょうか。
「シティータワー虎ノ門」の駐車場は2階にあり、総戸数144戸に対して64台の設置で設置率は44%となります。月額使用料は現時点で未定です。
対する「ブランズ愛宕虎ノ門 」は総戸数93戸に対して27台の設置となり、設置率は29%です。月額使用料は40,000円となります。
占有面積と間取り・眺望
広めコンパクト vs 広めの間取り
「シティータワー虎ノ門 」の間取りは60.06~75.13m2(1LD・K+S~3LD・K)と「広め」なコンパクトタイプの間取りが中心です。
東京都心の真ん中で1LDKで60平米とはかなり広い贅沢な1LDKだなあという印象です。昨今の新築マンションだと60平米あればウォールドア付きの2LDKが主流、3LDKにしてしまうマンションもあります。
比べて「ブランズ愛宕虎ノ門」の方では、1LDK(39.41m2)~3LDK(116.87m2)と多彩な間取りがありました。(現在販売中は2LDK(75.02m2)~3LDK7(116.87m2)のみ)
ちなみに既に完売してしまったパークコート虎ノ門も40㎡台~130㎡台と多彩な間取りでした。
眺望:お墓ビューをどう考えるか
どちらの物件も方角によってはお墓が見えます。
お墓ビューをどう捉えるかは個人によって差があるところですが、最初に強調しておきたいのは、お墓があるということはネガティブなことだけでなく
・地盤が強い
・日照が将来に渡って保たれやすい・半永久眺望が期待できる
というポジティブ面も大きいというところです。
加えて、麻布・青山の高額物件も墓地ビューばかりですが資産価値上々ですし、駅徒歩2分の立地で前方の開放感が半永久的に保証されるのは価値が高いと考えています。
個人的には、バルコニーやダイレクトウィンドウから意識的に下を見下ろしたら墓があるはOKだけど、家の中にいるときにお墓が目線に入るのは嫌というのが私の感じ方です。各階の見え方はモデルルームで要確認ですね。
「シティータワー虎ノ門」の敷地は囲まれ感は強いです。以下の記事には、更地の敷地写真が載っており大変参考になります。
bluestyle.livedoor.biz
中層階以上の北東側は視界も抜けてきそう、高層階はお部屋によっては南西方向に東京タワーも見えるでしょう。道路を挟んだ向側正面の「ウェリスタワー愛宕虎ノ門」は22階建てなので、そこを抜けると眺望は良い感じでしょう。
普通借地権について徹底解説
借地権とは?新法・普通借地権の解釈について
今回はお隣にあるお寺さんの土地を貸していただく形で、その土地の上に「シティータワー虎ノ門」が建つことになります。
その土地の権利が、新法に基づく「普通借地権」となり、期間は発表前ですが55年で設定されそうという予想のようです(建物はもちろん所有権です)。
現在ある借地権のマンションには以下の3種類があります。
1. 旧法に基づく旧法借地権
2.新法に基づく普通借地権
3.新法に基づく定期借地権
借主/借地権者(今回であればマンションを購入する方)の権利が強い順に上から並んでいます。
とは言っても実は1と2の差はほとんどなく、どちらも建物が存在する限りは原則更新ができる権利となっています。
地主の方は正当な事由がない限り更新を拒否することはできません。
正当な事由とは、例えば更新料の未払いや、建物が老朽化して誰も住めない状態になっている、など総合的に判断して決められます。
旧法と新法の違いは、契約期間の違いです。
旧法では契約によって期間を定める場合は、堅固建物(マンションなどのコンクリート造)は30年以上、非堅固な建物(木造など)は20年以上の期間を定めなければなりません。更新時も同様です。
新法では建物の構造に関わらず、最初の契約は30年以上(契約で期間を定めていない場合は30年となり、契約で30年未満の期間を定めても無効となり自動的に30年となります)、初めての更新時は20年以上、2回目移行の更新は10年以上の期間を定めることとなっています。
旧法借地権の物件を購入した場合は、原則としていつ何度契約を更新しても旧法の規程が適用されることになります。
ちなみに「ブランズ愛宕虎ノ門」も「普通借地権」のマンションであり、初回の借地期間は50年に設定されています。
一方で、3の新法「定期借地権」は大きく異なります。
定期借地権では存続期間が定められており更新ができず、期間満了後には土地を地主に返還する義務があります。
したがって定期借地権のマンションを購入すると解体費の積立が毎月のランニングコストとなります。
そもそも新法は、「一度貸したら一生返ってこない」と言われていた旧法借地権を、地主の立場を守るという観点から改正をしたものですので、その目玉が貸主に有利な「定期借地権」となります。
普通借地権のメリット
・土地の価格がかからないため、周辺の物件に比べて10%以上販売価格が安い
・固定資産税がかからない(土地分のみ)
普通借地権のデメリット
・(固定資産税はかからないが)賃借料としての地代が月々かかる
・更新時期(シティタワー虎ノ門だと55年後)には更新料がかかる
・その他物件売却時の地主への手数料等様々な機会に発生する地主への支払い
借地権というと不安になる方も多かと思いますが、駅近の好立地が所有権より安く購入でき、かつ取り壊し前提の定期借地権と異なり半永久的に更新できる権利形態のため安心、というメリットは大きいかなと個人的には思っています。
気になる地代と月々のランニングコスト
土地分の固定資産税はかからないものの、借地権物件には更新料(物件価格の5〜10%が相場)や権利金・譲渡承認料(売却時に地主に払う手数料)をはじめ、地主への支払いが発生する機会は多くなっていますので、しっかりと確認してからの契約をするべきでしょう。
詳しくは以下の記事に詳しくまとまっていますのでご一読いただくと良いかもしれません。
vs-group.jp
また固定資産税の多くは建物にかかる部分となるため、土地にかかる固定資産税が安くなったところで、毎月の地代をカバーするには足りないですから注意です。
さて月々の地代は「シティータワー虎ノ門」ではまだ未定となっていますが、一般的には固定資産税の3~5倍(年額)が相場です。
ちなみに「ブランズ愛宕虎ノ門」の2021年度想定土地賃料(地代)は、30,700円(75.02m2)~47,800円(116.87m2)とあります。平米あたり毎月409円の支払いという計算ですね。
近隣マンションの価格との比較
「シティータワー虎ノ門」の価格はまだ未定ですが、お隣の「ブランズ愛宕虎ノ門」は坪単価500万円後半でした。
所有権物件だと、これまた販売中の「プラウド新虎通り」が700万円+@、完売済みの「パークコート虎ノ門」が800万円後半でした。
当マンションが「ブランズ愛宕虎ノ門」と同じ坪単価700万円の場合は1億3,000万~1億6,000万程度となります。
周辺の中古マンションだと以下のような相場感(販売価格)です。
・ウェリスタワー愛宕虎ノ門(築7年)52.49㎡ 11,500万円(坪722万)
・パークコート虎ノ門愛宕タワー(築12年)65.75㎡ 14,300万円(坪717万)
「ブランズ愛宕虎ノ門」に関しては眺望が苦しい住戸が多い感じでした。「シティータワー虎ノ門」でも苦しい住戸は多いですが、向かい側の「ウェリスタワー愛宕虎ノ門」を超えてくる住戸、南西方向の東京タワービューをはじめ眺望の抜け感が出てくる住戸に関しては価値が高く、お値段もそれなりのものになりそうです。
まとめ
「シティータワー虎ノ門」はお値段にもよりますが、借地権といえども半永久的に更新可能な権利ですので、駅前好立地と麻虎の再開発を考慮すると、買えるなら買っておきたい物件かなと思います。
特に眺望抜けてくる高層階はかなり貴重です。
お隣の同じく普通借地権マンションである「ブランズ愛宕虎ノ門」の販売に時間がかかっていることを懸念される方も多いでしょうか。
こちらは普通借地権であることに加えて、所有権+坂上立地が評価された「パークコート虎ノ門」がライバルでしたのでしょうがないかなと思います。
また17階と高さが出せていないため、眺望面でも苦しい住戸が多かったことも理由の一つでしょう。
「シティータワー虎ノ門」は今後の追加の情報発表が楽しみです♪
また随時更新していきます!